母の嫁入り道具、家紋入りの重箱におせちを詰める楽しみ

わが家には家紋入りの重箱があります。亡き母が嫁入り道具として祖父から贈られた漆塗りの重箱で、外側は黒、内側は朱になっています。年代ものなのにまったく色あせることがありません。さすが漆塗りということでしょう。

私にとってはいわば母の形見。普段づかいのものではありませんので、使うのはお正月のおせち料理の時だけです。
立派な二段重ですが、中身のおせちはスーパーで買ってくる出来合いのものばかり。ラインアップは紅白のかまぼこ、錦玉子、栗きんとん、黒豆、ごまめ、煮しめ、昆布巻きなど、ほとんどが定番の料理です。

ただ、数の子を入れないことと、酢でしめたコハダと黄金イカを加えるのがわが家流といえるかもしれません。
大晦日になると、それらを一つ一つお重に詰めて行くのが私の楽しみ。楽しいだけでなく、身の引き締まるような気がする作業で、一年を締めくくる大事な行事でもあります。